ロサンゼルス市などで最低賃金が7月1日から引き上げ
(米国)
ロサンゼルス発
2019年06月28日
ロサンゼルス市とパサデナ市、サンタモニカ市、マリブ市、ロサンゼルス郡では、7月1日から最低賃金の引き上げが行われ、従業員が26人以上の場合は時給14.25ドル(6月末までは13.25ドル)、25人以下の場合、13.25ドル(同12ドル)となる(表1参照、注1、注2)。これらの地域では2021年7月までに最低賃金が15ドルまで引き上げられることが予定されている。
カリフォルニア州も2023年までに最低賃金を15ドルへと段階的に引き上げる予定だが、州内にはこれを上回る最低賃金水準を定める市や郡があるため、事業者は各地域で適用される最低賃金を確認する必要がある(表2参照)。
最低賃金引き上げの背景には、都市部の住居、医療保険、養育、交通などの生活コスト上昇がある。マサチューセッツ工科大学が発表する2018年「生活時給計算」によると、ロサンゼルス都市圏では、成人1人が生活するには時給14.71ドルを必要とし、子供1人を持つ成人2人の家庭では時給28.25ドルが必要だとしている。
コストコやアマゾンは既に従業員の最低時給を15ドルに引き上げたほか、ウォルマートも最低賃金を11ドルに引き上げた(注3)。
(注1)ロサンゼルス郡が定める最低賃金は、同郡内の88市(ロサンゼルス市など)を除き、市制化されていない地域(Unincorporated area)で適用される。
(注2)最低賃金の改定時期が州と同じ1月である例も多い(「カリフォルニア州労働関係法2019年の主なトピック」参照)。
(注3)州を越えて営業する企業、または州を越えて流通する商品を製造する企業には連邦最低賃金が適用される。このため、ウォルマートはこれまで連邦の最低賃金である時給7.25ドルを取り入れてきたが、これが「安過ぎる」〔同社最高経営責任者(CEO)〕として、11ドルに引き上げた。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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