機械メーカーのメカトロシステムサービスがホーチミン進出

(ベトナム、北海道)

アジア大洋州課

2019年06月19日

主に飲料メーカー向けに生産設備・ラインの設計、製造、販売を行うメカトロシステムサービス(北海道札幌市)は6月下旬、ベトナム・ホーチミン市に現地法人を設立する予定だ。現地では、ベトナム地場企業を主なターゲットとして、日本と同様のサービスのほか、飲料の商品開発コンサルテーションを展開する。

本社従業員が12人(パートを含む)と中小企業ながら、ベトナムへ進出するのは「若く、発展する可能性が高いためだ」と、同社専務取締役の佐々木勝義氏は説明する。過去にベトナムでの現地ビジネスに関わったことがある日本人を担当として雇い、同担当者が現地法人設立の準備、市場調査、営業活動などを行っている。また、知人のベトナム人を通じ、SNSの求人ページで、日本語能力試験のN1(同試験の認定レベルで最上位)を取得したベトナム人大学生を見つけ、今後は現地法人の社員として雇う予定だ。ベトナム南部の国有企業とのコンサル契約、製造設備の納入や、現地アルコール飲料メーカーへの設備納入などの交渉が既に進んでいるという。後者の飲料メーカーについては、「飛び込み営業で、同社社長宛てに名刺とお土産を置いていって、5回目にやっと社長から連絡があり商談にこぎつけた」と、佐々木氏は振り返る。

佐々木氏は「現地では販路拡大できそうだという感触はつかんでいる」としつつ、「そのためには、販売価格をいかに下げるかカギとなる」と、日本市場との差異を説明する。同社は現在、日本製設備をベトナムで販売するだけではなく、タイ、中国、台湾などから必要部品を調達し、これらを組み合わせた安価な生産設備をベトナムで販売しようとしている。また、「ターゲットとなる飲料業界のメーカーが、プラスチック、瓶、紙のどの材質のパッケージを採用していくことになるのか関心がある。ベトナムのコーヒーショップではステンレスストローが見られ始めた」と、資源ごみなど環境課題に対するベトナム政府の動向と飲料業界への影響を、佐々木氏は注視している。

(小林恵介)

(ベトナム、北海道)

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