中国教育部、米国留学などにかかるビザ申請のリスクを警告

(中国)

中国北アジア課

2019年06月04日

中国教育部は6月3日、米国へ留学を予定している学生や訪問学者向けにビザ申請にかかるリスクを警告した。教育部の担当者は「これまで一定期間において、ビザの審査期間の長期化、有効期間の短縮、拒否率の上昇など、ビザが制限される状況にあり、米国への渡航や留学に深刻な影響を及ぼしている」と指摘した。教育部は、米国への留学ビザを申請する学生や訪問学者に対し、リスクを確認し、リスク回避のために相応の準備をするよう呼び掛けている。

同日の記者会見で、教育部国際合作・交流司の徐永吉副司長は「米中貿易摩擦を背景に、これまで行われてきた両国の教育交流活動を実施することが難しい状況が続いている」と述べた。国家留学基金委員会の統計によれば、2018年に公費で米国に派遣される中国人留学生は1万313人だったが、うち、ビザが発給されず予定どおり留学に行くことができなかった人数は331人と全体の3.2%を占めた。一方、2019年1~3月に、公費で米国に派遣される中国人留学生数1,353人のうち、ビザが発給されず予定どおり留学に行くことができなかった人数は182人で、全体の13.5%を占めた。徐副司長は「米国の行為は、中米両国の教育交流や協力に暗い影を落としている」と指摘した上で、米国に対応の改善を求めた。

(方越)

(中国)

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