与党GERBの勝利により連立政権が安定化

(ブルガリア、EU)

ウィーン発

2019年06月03日

ブルガリアで5月26日に行われた欧州議会選挙(議席数17)は、最大与党「ヨーロッパ発展のためのブルガリア市民(GERB)」の勝利で終わった。ブルガリア中央選挙委員会の暫定結果(開票率95%)によると、GERBは得票率30.9%(2014年の前回選挙比0.5ポイント増)で7議席を獲得した。野党のブルガリア社会民主党(BSP)は24.2%(5.3ポイント増、5議席)で第2党、トルコ系支持者の多い「権利と自由運動(MRF)」は16.4%(0.9ポイント減、3議席)で第3党になった。そのほか、右翼の「内部マケドニア革命組織・ブルガリア国民運動(VMRO-BNM)」(7.4%)と中道右派の新連合「民主ブルガリア同盟(DBU)」(6.2%)はそれぞれ、1議席を獲得した(表参照、議席配分に若干の変更があり得る)。5月24日がブルガリアの「キリル文字・教育・文化の日」の祝日で、投票日が3連休の最終日だったこともあり、投票率は30.8%と前回の35.8%をさらに下回った。

選挙の数週間前に、与党GERBの議員が関わった汚職スキャンダルが発覚した後、野党の社民党が世論調査で第1位になっており、欧州議会選挙でGERBが大敗した場合、前倒しで国民議会選挙が行われるとの見方もあったが、結局、GERBが6.7ポイントの差で第1党になったため、当面は与党としての地位が安定したとみられる(次回の国民議会選挙は2021年の予定)。GERBの連立パートナーである「愛国同盟」(右翼政党3党からなる連合)は欧州議会選挙で別々に候補を立て、VMRO-BNMだけが1議席を獲得することに成功した。同党は、欧州議会で全ての愛国的な有権者の代弁者となるよう努力するとし、国内では連立を続ける意思を示した。

表 欧州議会選挙の暫定結果(ブルガリア)

(ヴラディミール・カネフ、エッカート・デアシュミット)

(ブルガリア、EU)

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