マクリ大統領が大統領選挙に向け、副大統領候補を決定

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年06月14日

アルゼンチンのマウリシオ・マクリ大統領は6月11日、自身のツイッターで、10月27日に行われる大統領選挙でともに戦う副大統領候補をミゲル・アンヘル・ピチェット上院議員に決定したことを発表した。ペロン党穏健派の重鎮でもあるピチェット上院議員を一本釣りしたことは「サプライズ」(政府関係者)な中、発表直後の株価指数(メルバル指数)は約5ポイント上昇し、カントリーリスク指標のEMBI指数も約9ポイントの改善と好意的な反応を示した(現地主要各紙6月11日)。

ピチェット上院議員は68歳。リオネグロ州を拠点に弁護士からキャリアを始め、連邦下院議員(1993~2001年)、連邦上院議員(2001年~)と務めてきた議会人だ。自らはペロン党穏健派の中心的存在である中、マクリ政権下では議会における与党連合との協調をはかり、与党からも評価されてきた。ペロン党穏健派は当初は大統領候補を一本化する予定だったものの、調整がついていない。主要メンバーの1人のセルヒオ・マッサ元首相はペロン党急進派との連携を模索し、ピチェット上院議員は与党連合の副大統領候補に推挙されるなど、分裂の様相を見せている。今回の大統領選挙までの日程では、6月12日が各政党による連立組み合わせの申請締め切り日となっており、直前になって各政党・政治家による合従連衡が具体的に動き始めた。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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