湾岸協力会議(GCC)諸国にも脱プラスチックの動き

(アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、サウジアラビア)

ドバイ発

2019年06月25日

世界的に脱プラスチック規制が導入される中で、湾岸協力会議(GCC)諸国でも関連の動きが進んでいる。

サウジアラビアでは、2020年4月にも生分解性プラスチック規制第2フェーズが導入される可能性がある。

アラブ首長国連邦(UAE)では、2013年閣議決議第118号によりプラスチック袋、使い捨て食器などのプラスチック製品は酸化型生分解性プラスチック(Oxo-Biodegradable Plastics)を使うことが求められている。さらに、2019年4月にアブダビに本拠を置くエティハド航空が、地域の航空会社として初めて機内での使い捨てプラスチックの使用をやめることを発表し、6月にはドバイ国際空港とエミレーツ航空が相次いで同様の取り組みを発表した。ドバイ空港は2020年1月から免税店など空港内の消費者向けエリアで使い捨てプラスチックの使用を禁じ、エミレーツ航空は2019年8月から機内販売用の袋を紙袋に替え、2019年末までに機内でのプラスチックストロー、マドラーなどを環境に配慮した代替品にすると発表した。エミレーツ航空はこれにより、年間8,170万個の埋め立て用プラスチックごみが減るとしている。

バーレーンでは、1月にプラスチック袋や消費財の使用を規制するための産業貿易観光省令2019年第11号を出しており、7月21日から第1フェーズが施行される。第1フェーズでは、使い捨てプラスチック袋の利用および、生分解性プラスチックではないプラスチック袋の輸入が禁止される。導入時期は明らかにされていないが、第2フェーズでは、プラスチック袋の利用自体が禁止される予定で、導入時期などについては産業貿易観光省などが決定する。なお、同省は第1フェーズの導入について、国内のプラスチック産業は対応可能なため支障はないことを確認しているという。

オマーンでは、2018年6月に商業産業省がメディアに対し、プラスチック袋の使用に関する規制を完成させたと述べており、省内の基準委員会の承認後に発表される、と報じられている。

(山本和美)

(アラブ首長国連邦、バーレーン、オマーン、サウジアラビア)

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