日産、ロシアでカーシェアリング事業に参画

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年06月13日

日産自動車は6月9日、ロシアのインターネットサービス大手「メール・ルー(Mail.ru)」グループと、金融大手「VEB.RF」と協力し、カーシェアリング事業を開始することを発表した。

6月6~8日に開催されたサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに合わせ、協力合意書の署名が行われた。事業を行うのは、日産のロシア現地法人「ロシア日産自動車製造」、「Mail.ru」のグループ企業「新都市環境・輸送インフラ(NGSiTI)」、VEB.RF子会社の「VEBリージング」の3社。「オンラインからオフラインへ」(注)のコンセプトを基に、ロシアの新都市インフラの発展を目指す。開始段階では、日産がサンクトペテルブルクで組み立てた「キャシュカイ」250台をVEBリージングのリースの枠組みを通じて提供し、NGSiTIがカーシェアリング事業を展開する。1年間で1万台まで拡大する可能性もあるとしている。

署名に当たり、ロシア日産自動車製造のイゴリ・ボイツォフ社長は「カーシェアリングは特に大都市で発展しており、地方にも展開しつつある。自動車市場の新しい潮流に沿い、現代のロシアの都市交通システムの発展に貢献することは、日産にとって非常に重要」とコメントした。

ロシアのカーシェアリング市場は成長している。6月7日付「べドモスチ」紙はロシアの地場最大手銀行ズベルバンクのデータとして、2018年末時点でカーシェアリングサービスに対する支出額が1カ月当たり10億ルーブル(約17億円、1ルーブル=約1.7円)に近づき、2018年通年での市場規模は前年比5倍となる70億ルーブルまで拡大したことを伝えている。

(注)ウェブサイト上(オンライン)からウェブサイト外(実店舗など:オフライン)での購買行動に結びつけるマーケティング手法などを指す。略してO2O(オー・ツー・オー)とも呼ばれる。

(高橋淳)

(ロシア)

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