5G周波数の割り当て入札終了、ネットワーク拡大に向け課題も

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2019年06月24日

第5世代移動通信システム(5G)の周波数割り当てに関するドイツ連邦ネットワーク局の入札が6月12日に終了外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。周波数の需要が割り当て可能な周波数帯の数を超えたため、入札形式が取られた。入札対象となった周波数は2ギガヘルツ(GHz)帯と3.6GHz帯で、ドイツテレコム(ドイツ)、ボーダフォン(英国)のドイツ法人、テレフォニカ(スペイン)のドイツ法人、インターネット大手ユナイテッド・インターネット傘下の1&1ドリリッシュ(ドイツ)の4社が応札した。5Gの周波数帯域を41ブロックに分け、3月19日の入札開始から497回目で全ての入札が完了、落札額の総額は事前の予想を上回る65億4,965万ユーロに上った(表参照)。

表 5Gの周波数の割り当ての落札結果

連邦ネットワーク局は入札について、「成功裏に終わった」とする声明を発表したが、ドイツテレコム、ボーダフォン、テレフォニカの3社は落札額の高騰を指摘、これにより、移動体通信事業者への負担が増加し、通信ネットワークの拡大が阻害されるとの見方を示している。ケルンのドイツ経済研究所(IW Köln)は、コスト上昇は各通信会社の利益を圧縮し、利用者が少なくコストに見合わない地域では、5G技術の導入が遅れる恐れがあると指摘した。

ドイツ産業連盟(BDI)のディーター・ケンプ会長は6月13日、産業による雇用の3分の2が地方に存在しているとし、政府に対し、今回の入札による収益の一部を光ファイバーの拡大などのインフラ投資に充てることを求めたほか、光ファイバーの拡大や基地局の建設にかかる許可手続きの簡素化が必須との声明を発表した。

また、ドイツ化学工業協会(VCI)とドイツ自動車産業連合会(VDA)、ドイツ機械工業連盟(VDMA)、ドイツ電気・電子工業連盟(ZVEI)の各産業団体は連名で同日、連邦ネットワーク局に対し、各企業が自社ネットワークのみに利用できる3.7~3.8GHz帯(ローカル5G)についても、利用条件を明示することを求める声明を発表した。5Gネットワークの導入により、企業は競争力を確保しイノベーション創出を促すとする一方、これらの産業団体に属する多くの会員企業は、具体的な仕様や利用条件がわからない状況のまま、製造拠点での独自の5Gネットワーク構築することを計画している状況に置かれているとした。

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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