2018年の乗用車新車販売台数は3%増、ディーゼル車離れは加速

(フランス)

パリ発

2019年06月24日

フランス自動車工業会によると、2018年の国内乗用車新車登録台数は、前年比3.0%増の217万3,481台となった(表参照)。前年と比べて、伸び率は縮小したが、3年連続で200万台を超えた。小型商用車(車載量5トン未満)の新車登録台数は、前年比4.7%増の45万9,139台と前年に続き拡大した。大型トラック(車載量5トン以上)も7.6%増の5万4,285台と拡大が続いた。

表 2018年の主要メーカー・ブランド別新車乗用車登録台数

他方、2018年の中古車販売市場は、乗用車が0.8%減の563万2,362台、小型商用車が1.4%減の78万6,118台、大型トラックが5.3%減の5万1,208台といずれも縮小に転じた。

乗用車新車登録台数をメーカー・ブランド別にみると、ルノー・グループは「ルノー」ブランドが40万6,222台と前年比2.5%減ったが、グループ傘下のルーマニア「ダチア」が19.1%増の14万326台と前年に引き続き好調だった。日産の登録台数は5万9,606台と16.6%減少した。

グループPSAは「プジョー」ブランドが前年比6.2%増の38万9,518台、「シトロエン」ブランドが6.2%増の21万3,844台と双方ともに登録台数を伸ばした。プジョー3008、5008などの小型クロスオーバー・スポーツ用多目的車(SUV)が牽引した。

外国勢で最大のシェアを持つドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、前年からほぼ横ばい(0.7%増)の14万台313台と低迷した。そのほか、高級車ブランドでは、メルセデス・ベンツが3.2%減の6万5,808台、BMWが6.2%減の5万7,537台、アウディが21.5%減の5万1,582台と軒並み減少した。日本車では、トヨタが9.7%増の9万7,286台、スズキが8.8%増の2万7,241台となった。韓国車では、起亜が13.6%増の4万2,313台、現代が20.2%増の3万5,542台と大きく伸びた。

乗用車新車登録台数に占めるディーゼル車の比率は、38.9%と前年の47.3%から急減し、初めて4割を切った。ちなみに2012年の比率は73%だった。ディーゼル車離れの加速に伴い、自動車・部品メーカーの事業再編の動きが日系企業の間でも出ている。スマートフォンホ向けプリント配線基板やセラミックフィルターを主力とするイビデンは2018年11月、欧州ディーゼル乗用車市場の減速に伴い、ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)の生産拠点であるイビデンDPFフランスの解散を決定した。PSAのエンジニアリング担当ディレクターのアラン・ラポゾ氏は、ディーゼル車の市場縮小が続けば「EUの共通排ガス規制ユーロ7への移行が予想される2023年以降、(同社が生産する)ディーゼル・エンジンを1つのモデルに集約する」可能性について言及した(自動車専門誌「ラルグス」電子版1月8日)。

(山崎あき)

(フランス)

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