中国、カナダ産食肉類の輸入を暫定停止

(中国、カナダ)

中国北アジア課

2019年06月27日

在カナダ中国大使館は6月26日に、ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでカナダ産食肉の輸入を一時的に停止する措置をとったと発表した。

南京税関は6月14日、カナダから輸入された豚肉から中国で使用が禁止されている飼料添加物のラクトパミン(注)が検出されたことを受け、税関の食品安全リスク警告通知(2019年第1号)を発表した。同通知では、豚肉を輸出したカナダのFrigo Royal(1998)および同社の豚肉に対し衛生証明書を発行した獣医官からの通関書類の受付を停止するとともに、税関においてカナダ産豚肉におけるラクトパミンの抽出検査を増やすとしていた。

在カナダ中国大使館のウェブサイトには「カナダ側の食肉輸出管理監督システムに安全上の問題があることが明らかになった」との見解が示され、「カナダ側の調査結果により、申告された衛生証明書が偽造されたものと判明し、偽造された衛生書類が188通に上る」と掲載されている。その中で中国側は6月25日から、カナダ政府に中国向け輸出にかかる証明書の発行を自主的に停止するよう求めており、カナダは実質的に豚肉を含む食肉類の輸出ができなくなった。

カナダの豚肉輸出促進機構(Canada Pork International)の統計によれば、2018年カナダ産豚肉の対中輸出額は5億1,433万カナダ・ドル(約421億7,506万円、Cドル、1Cドル=約82円)に達し、中国は日本と米国に次ぐ輸出先となっている。

なお、中国は2019年3月、検疫時に害虫が見つかったことを理由に、カナダ産菜種の輸入も停止している。海外メディアは、これらの禁輸措置は2018年12月にカナダの司法当局がファーウェイの孟晩舟副会長を拘束したことが背景にある、との見方を示している。

(注)牛や豚の体重増加、飼料効率の改善および赤身肉割合の向上を目的に使用される飼料添加物。

(方越)

(中国、カナダ)

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