欧州議会選での与党敗北を受け、解散総選挙へ

(ギリシャ、EU)

ミラノ発

2019年06月03日

欧州議会選挙のギリシャでの投票は5月26日に実施され、最大野党である中道右派・新民主主義党(ND)の得票率(33.2%)が与党の急進左派連合(SYRIZA)の得票率(23.77%)を上回った。この結果を受け、同日、アレクシス・ツィプラス首相は、議会解散・総選挙の実施を大統領に求める考えを示した。現地報道によると、総選挙は7月7日に実施される予定だ。

ツィプラス首相は選挙前に、欧州議会選挙の結果は現ギリシャ政府に対する信任投票を意味すると表明していた。各党の得票率と獲得議席数は表のとおり(5月28日時点、開票率99.29%)。

表 欧州議会選挙の結果

SYRIZAから離脱した元ギリシャ財務相のヤニス・バルファキス氏を党首とする新政党DiEM 25と、前ギリシャ議会議長のゾイ・コンスタントプル氏が率いるCourse of Freedomの得票率はそれぞれ3.0%、1.5%となり、共に議席獲得に至らなかった。また、社会自由主義政党のポタミ、SYRIZAとの連立政権から脱退した保守政党の独立ギリシャ人の得票率はいずれも大幅に落ち込み(0.8%、1.5%)、前回の選挙で獲得していた、それぞれ2議席と1議席を失う結果となった。

なお投票率は、前回の60.0%をわずかに下回る58.5%となり、欧州各国の平均51.0%を大きく上回った。

(井上友里、山内正史)

(ギリシャ、EU)

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