第1四半期の対外直接投資は過去最高

(韓国)

ソウル発

2019年06月20日

韓国の企画財政部が6月14日に発表した「2019年第1四半期の海外直接投資動向(速報値)」よると、第1四半期(1~3月)の対外直接投資は前年同期比44.9%増の141億1,000万ドルで、四半期ベースで過去最高となった。サムスン電子による米国ハーマンのM&A(合併・買収)によって急増(62.9%増の136億1,000万ドル)した2017年第1四半期を超える水準に達した。

業種別にみると、製造業が2.4倍の57億9,000万ドルで最も多く、第1四半期の製造業投資額は四半期ベースで過去最高だった(表1参照)。これについて、企画財政部の関係者は「米国の食品メーカーへの投資と中国の電子企業(ディスプレー)への投資があった。現地市場での販売拡大のための大型M&Aと生産設備増設への投資が増加したことに起因する」と説明している。また、金融および保険業は48.2%増の47億6,000万ドル、不動産業が36.4%増の16億1,000万ドルと増加した。

表1 主要業種別の対外直接投資金額(実行ベース)

国・地域別にみると、米国と中国で増加傾向が目立った(表2参照)。米国は保護貿易の拡大によって、現地市場への進出目的の投資増加により、前年同期比95.2%増の36億5,000万ドルとなった。中国では液晶ディスプレーなどの生産設備の増設投資が増え、2.6倍の16億9,000万ドルを記録した。アジア地域向けは41.1%増の51億8,000万ドル、北米地域は2.1倍の41億7,000万ドルとなった。

表2 地域別の対外直接投資金額(実行ベース)

日本向けの直接投資は、企画財政部の発表では記載がなかったが、韓国輸出入銀行よると、金融および保険業(1億9,400万ドル)を中心として前年同期比42.4%増の2億6,800万ドルだった。他の業種は、電気・ガス・蒸気および空調関連業(1,700万ドル)、情報通信業(1,400万ドル)、製造業(1,300万ドル)、不動産業(900万ドル)、卸売・小売業(800万ドル)の順。

〔李丙鎬(イ・ビョンホ)〕

(韓国)

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