将来的な日本の輸入解禁を見据え、品質向上図るミャンマー産マンゴー

(ミャンマー、日本)

ヤンゴン発

2019年05月23日

マンダレーで5月11~12日、ミャンマー・マンゴー・フェスティバルが開催された。ミャンマーの生産者、卸売業者らによる品評会や商談会、セミナーが行われた。ミャンマー産マンゴーは主に中国、シンガポールへ輸出されているが、日本向けは燻蒸処理など検疫上の課題があり、まだ日本側で輸入解禁に至っていない。また、ミャンマー産のマンゴーは栽培技術の確立、収穫後の選別などが他国に比べて劣っており、品質が安定しないという課題がある。

同イベントの中で、イエーティントゥン農業局長は「日本へマンゴーを輸出するためには(日本の)基準をクリアする必要があるが、7年はかかるだろう。しかし、(厳しい)日本の基準をクリアできれば、世界のどの市場でも販売できる水準となる。今後も品質向上に取り組む必要がある」と訴え、日本をはじめ世界各国へ輸出を広げていく意向を示した。また近年では、付加価値を高めるため、マンゴーをドライフルーツやピューレに加工して販売する生産者も増えており、加工品の輸出も期待されている。

写真 ミャンマー・マンゴー・フェスティバルの様子(ジェトロ撮影)

ミャンマー・マンゴー・フェスティバルの様子(ジェトロ撮影)

ミャンマー産マンゴーが日本の店頭に並ぶ日はいつか

ミャンマー産マンゴーが収穫される季節は、雨季前の4月から6月ごろで、マンゴーの品種は約200種類に上る。主な生産地は、マンダレーがある中部エリアだ。国営新聞によると、ミャンマーでは年間で推定70万トンのマンゴーが生産されており、数ある果物の中でも1、2を争う生産量だ。品種では、セインタロン・マンゴー(セインタロンはミャンマー語で「一粒のダイヤモンド」の意味)が有名で、他のマンゴーに比べて糖度が高く、贈答用として国内外から高い人気を誇っている。

写真 セインタロン・マンゴー(ジェトロ撮影)

セインタロン・マンゴー(ジェトロ撮影)

現在、日本は主にメキシコ産やタイ産のマンゴーを輸入している。輸入量は2016年の約5,700トンから2018年に約7,500トンに増え、市場は拡大傾向にあり、今後も増加が見込まれる。

(松田孝順)

(ミャンマー、日本)

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