欧州議会選でブレグジット党大勝

(英国、EU)

ロンドン発

2019年05月27日

英国で5月23日に投票が行われた欧州議会選挙の開票作業が5月26日午後10時過ぎから始まった。欧州議会の27日午前2時過ぎ時点での推計値によると、EU離脱(ブレグジット)を強く主張する新党のブレグジット党が29議席で首位。2度目の国民投票を経てEU残留を目指す自由民主党が16議席と、前回の1議席から大きく伸ばして2位につけた(表参照)。

表 英国の欧州議会選挙の結果(推計値)

大敗が予想されていた(2019年5月23日記事参照)保守党は4議席に激減。労働党も10議席に後退し、英国の2大政党の敗北が決まった。EU離脱支持者が保守党からブレグジット党に流れる一方、2度目の国民投票などをめぐり曖昧な姿勢を続ける労働党に幻滅したEU残留支持者は、自由民主党に票を投じた格好。投票率は、EU全体(50.1%)を下回ったものの、前回の35.6%から37.0%に増加している。

EU残留を訴える小政党では、緑の党が7議席に躍進し、スコットランド国民党も前回より多い3議席を確保。その一方で、新党チェンジUKは議席を獲得できなかった。

大勝したブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首は5月27日未明、英南部のサウサンプトンで支持者を前に演説し、「(EU離脱に関するEUとの)交渉団に加わり、責任を果たしたい」と述べ、さらに「10月31日に離脱しなければ、今日のブレグジット党の得票結果が(英国議会の)総選挙で繰り返される」とコメント。国政への進出もちらつかせ、離脱実現を迫っている。

(宮崎拓)

(英国、EU)

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