「アマゾン・ゴー」のNY第1号店が開店、現金支払いも可能に

(米国)

ニューヨーク発

2019年05月16日

電子商取引大手アマゾン(本社:ワシントン州シアトル)は5月7日、レジなし店舗「アマゾン・ゴー」のニューヨーク第1号店を、ロウアー・マンハッタン地区の高級ショッピングセンター「ブルックフィールド・プレイス」に新規出店した。

写真 アマゾン・ゴーの入り口の様子(ジェトロ撮影)

アマゾン・ゴーの入り口の様子(ジェトロ撮影)

アマゾンは2018年1月に、本社所在地であるワシントン州シアトルにアマゾン・ゴーの第1号店を正式オープンして以降、西海岸のワシントン州やカリフォルニア州、中西部のイリノイ州などを中心に全米へ店舗を展開しており、今回が12店舗目となる。人工知能(AI)や画像認識システムなどの最先端技術を駆使し、消費者が購入したい商品を手に取ったまま退店することができる「ジャスト・ウォーク・アウト(Just Walk Out)」を掲げ、注目を浴びてきた。

アマゾン会員は、専用モバイルアプリ上にあるQRコードを入り口ゲートにかざすことで、まずチェックインを行う。その後、店内に設置されたカメラやセンサーによって行動が追跡され、商品を手に取ると棚に設置されたる重量センサーが反応し、購入したことが記録される。精算(課金)は、退店時にあらかじめアカウントに登録されたクレジットカードで行われ、明細がメールで送られてくる。

写真 入り口のゲートでモバイルアプリをかざす入店客(ジェトロ撮影)

入り口のゲートでモバイルアプリをかざす入店客(ジェトロ撮影)

1,300平方フィート(約120平方メートル)ある店内には、サラダ、サンドイッチ、カレー、すしといったテイクアウト用食品のほか、頭痛薬などの医薬品も販売されている。ニューヨーク発祥の人気店「マグノリア・ベーカリー(Magnolia Bakery)」のカップケーキや「エッサベーグル(Ess-A-Bagel)」のベーグル、「ビアン・キュイ(Bien Cuit)」のパンなど、地元食品も豊富に取りそろえる。

写真 入り口では取り扱う地元食品店を紹介する(ジェトロ撮影)

入り口では取り扱う地元食品店を紹介する(ジェトロ撮影)

写真 店頭に並ぶ地元人気店「マグノリア・ベーカリー」のカップケーキ(ジェトロ撮影)

店頭に並ぶ地元人気店「マグノリア・ベーカリー」のカップケーキ(ジェトロ撮影)

写真 地元人気店「ビアン・キュイ」のパン(ジェトロ撮影)

地元人気店「ビアン・キュイ」のパン(ジェトロ撮影)

今回の新規店舗では、アマゾン・ゴーで初となる現金決済も導入した。近年、サラダチェーン「スイートグリーン(Sweetgreen)」やヘルシーフード専門店「ディグ・イン(Dig Inn)」など、現金を受け付けない店舗が増えているが、銀行口座やクレジットカードを持つことのできない低所得者層への差別に当たるとして、アマゾン・ゴーのニューヨーク1号店では現金を受け入れる方針としている。現金決済希望者は、店員にその旨を伝えて入店し、退店時は店員が持つモバイル端末で商品をスキャンすることで、支払いが可能となる。店員は釣り銭も携帯し、紙の明細書も発行される。

(樫葉さくら)

(米国)

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