カザフスタンの3都市で年内に5G試験導入へ

(カザフスタン)

欧州ロシアCIS課

2019年05月24日

カザフスタンのアスカル・マミン首相は5月21日、カザフスタンでの第5世代移動通信システム(5G)ネットワーク導入に関する閣僚会議を開催した。会議にはデジタル発展・国防・航空宇宙産業相、工業・インフラ発展相、大手通信会社カザフテレコムの会長らが出席。マミン首相に対し、2019年内に首都ヌルスルタン、商業の中心で最大の都市アルマトイ、人口規模3位のシムケントの3都市で5Gの試験導入を行う予定であることが報告された。

導入はフィンランドの通信大手ノキアとカザフテレコムが共同して実施する。5月にヌルスルタンで開催された「第12回アスタナ経済フォーラム」では、カザフテレコムが会場で展示・体験用に5Gサービスを提供したほか、マミン首相は同フォーラムに参加したノキアのリスト・シラスア会長と会談。5G導入を含むデジタル分野での相互協力の深化などについて議論している。

カザフスタン政府は社会・経済分野のデジタル化を推進するため、2017年12月に国家プログラム「デジタル・カザフスタン」を策定。2018年から2022年の期間に1,410億テンゲ(約423億円、1テンゲ=約0.3円)の予算を投入する予定で、デジタル技術の導入を積極的に進めている。5G導入に関するノキアとの協力は2018年春ごろから行われており、実証実験は既にヌルスルタン、アルマトイ、シムケント、アクモリンスク州(ヌルスルタン周辺地域)、アルマトイ州(アルマトイ周辺地域)で実施されている。政府は最終的に5万人以上の都市に5Gネットワークを整備する予定だ。

5G導入により、住環境や農業、工業、遠隔医療を含む保健、スマートシティー、労働性向上、住民の安全などの分野のデジタル化に大きなインパクトを与えるだろう、と政府は予測している。

(高橋淳)

(カザフスタン)

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