第1四半期のGDP成長率は5.6%、2015年以来の低成長に

(フィリピン)

マニラ発

2019年05月17日

フィリピン統計庁(PSA)は5月9日、2019年第1四半期の実質GDP成長率が前年同期比5.6%で、2015年第1四半期(5.1%)以来、最も低い成長率となったと発表した(添付資料参照)。

2019年第1四半期の実質GDP成長率を需要項目別にみると、民間消費支出が6.3%と前年同期より0.7ポイント増加したものの、政府消費支出が7.4%(6.2ポイント減)、国内総固定資本形成が6.8%(3.5ポイント減)、輸出が5.8%(4.5ポイント減)、輸入が8.3%(3.0ポイント減)となった。

産業別では、サービス業が7.0%(0.3ポイント増)と経済成長を牽引した。中でも、金融(9.8%)、政府サービス(9.7%)は10%近い成長率を達成した。一方、製造業を含む鉱工業などは4.4%と前年同期より3.3ポイント減少した。要因としては、インフラ計画の遅れから建設業の成長率が3.9%と1桁成長にとどまったことが響いた。

政府は、4年ぶりの低い成長率を記録した要因として、2019年度の国家予算の成立が3カ月以上遅れて成立(2019年4月18日記事参照)したことに伴う、政府予算の執行の停滞を挙げた。その上で、新規インフラプロジェクトの予算執行を第2四半期以降、迅速に行えば、政府目標の年間6~7%の成長率を達成することは困難ではないとの認識を示した。

(坂田和仁)

(フィリピン)

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