2019年のGDP成長率見込みは7.5%を維持

(コートジボワール)

アビジャン発

2019年05月22日

コートジボワールのムサ・サノゴ予算・国務担当閣外相は、IMF予測では7.4%となった2019年の経済成長率予測を、政府予測としては7.5%のままとすると述べた(ジュヌ・アフリーク)。最大の成長要因は第三次産業で、特に金融と通信の分野に期待が集まるとした。また、同国は西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)加盟国で唯一、貿易黒字を維持しており、貿易額と投資額の増加に自信をのぞかせた。

2018年も民需が成長を後押し

コートジボワール経済財政省が4月に公開した統計資料によると、同国の2018年のGDP成長率は7.4%で、前年(7.7%)から微減した。

2018年は、2020年までに所得倍増(2012年対比)と新興国入りを目指す第2次5カ年国家開発計画の中間年度だった。大規模なインフラ投資や公共事業の推進による景気てこ入れ策により、民間投資や個人消費を中心に内需が堅調に推移し、成長を後押しした。一方で、輸出が伸び悩んだことから、成長率は年初見通しの8.3%を下回る7.4%となった。

2018年GDPの需要項目別では、GDPの66%を占める民間最終消費支出が、雇用・所得環境の改善を背景に7.8%増となった(表1参照)。政府最終消費支出は、効率的な施策展開や財政健全化への取り組みにより、3.4%の伸びにとどまった。総固定資本形成は、企業の設備投資や建設投資の好調に支えられ、14.4%増と前年に続き2桁の伸びになった。

表1 需要項目別のGDP成長率予測

産業別にみると、2018年の第一次産業は、良好な天候により輸出用作物、食用作物など農業生産を中心に好調だったことから、4.2%の伸びとなった。第二次産業は、持続的な内需の強さに後押しされ、農産品加工、建設、石油精製、エネルギーをはじめほぼ全ての部門が好調に推移し、7.1%増加した。唯一、鉱物資源採掘が金鉱山におけるストライキの影響で不振だった。第三次産業は、経済活動の活発化や雇用・所得環境の改善により、電気通信、運輸、商業など軒並み好調に推移し、9.2%増となった。

表2 産業別のGDP成長率予測

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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