スリシティー工業団地で日本式ものづくり学校が開校

(インド)

チェンナイ発

2019年05月15日

インド南部アンドラ・プラデシュ州のスリシティー工業団地で4月26日、同州で初めての日本式ものづくり学校〔Japan-India Institute For Manufacturing(JIM)〕の開校式が行われた。平松賢司駐インド大使、内山浩二郎チェンナイ総領事をはじめ、同工業団地に進出している日系企業など数十社が出席した。

スリシティーで開校したJIMでは、日系企業7社が共同して20人の研修生を受け入れることになった。これまでインドでは8校のJIMが開校しているが、単独の企業が1クラス40人程度の研修生を受け入れる形式が基本だったが、今回の方式であれば1社当たりの負担が軽減されるため、今後は中小企業にもこの制度に参画しやすくなり、活用が広まると期待される。研修生は1年間、週2日間は座学の授業、4日間は各社の製造現場で組み立てや溶接などの実践的なトレーニングを受けることにより、理論と実地経験の両方を身に付けることができる。モディ首相が提唱する「メーク・イン・インディア」の方針の下、日本からインドへの「ものづくり技能移転」を推進させる一方、企業はインドの若者を製造現場で直接指導することにより、将来の現場リーダーを育成することにもつながる。

スリシティー工業団地は広さ7,500エーカーを超え、アンドラ・プラデシュ州の南端でタミル・ナドゥ州に接している。チェンナイ中心部から約70キロの場所に立地しているが、競争力のある土地価格と民間工業団地としての手厚い企業サポート体制が好評を生み、州政府の投資誘致政策もあって、現在180社を超える企業が進出している。そのうち日系企業は21社で、外資では最も多い。インドで12カ所選定された日本工業団地(JITs)の1つでもあり、JIMの開校も手伝って、今後も日系企業の進出が順調に進むと期待される。

(奥野幸彦)

(インド)

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