チェンナイに新たな日系工業団地が開業

(インド)

チェンナイ発

2019年05月14日

インド南部タミル・ナドゥ州チェンナイで4月26日、住友商事が現地マヒンドラグループと共同で開発したオリジンズ・チェンナイ工業団地の開業式が行われた。同工業団地は、「インドのデトロイト」とも呼ばれる自動車産業の集積地であるチェンナイ中心部から、北に40キロほど離れた国道16号線沿いに立地し、交通の便にも優れている。今回完成した区画は、第1期として開発が進められた107ヘクタールで、トラクターメーカーのヤンマーがエンジン工場の建設を始めるなど、既に日系企業2社が進出を決めている。

7%を超える高い経済成長率が続くインドでは、巨大市場の攻略を目指す日系企業の進出が続いており、その数は1,400社に上る。進出企業数はこの10年で2倍以上に増えた。中でも、チェンナイには自動車や二輪車メーカーが集積しており、日系のルノー日産、ヤマハ、いすゞをはじめ、外資系の現代、フォード、ダイムラー、BMW、さらに地場のTVS、アショック・レイランド、ロイヤル・エンフィールド、ヒンドゥスタンなどが工場を構えている。また、チェンナイ港などの大規模な港もあることから、インド国内向けにとどまらず、東南アジアなど周辺国への輸出の拠点としても注目されている。

チェンナイには、双日が開発した工業団地や、みずほ銀行・日揮が開発を手掛けた工業団地も2カ所整備されており、インドへの進出を検討している日系企業にとっては近年、選択肢が広がっている。2019年秋には成田~チェンナイ間の直行便の就航も予定されており、こうした投資環境の改善が、日系企業のチェンナイへの進出を後押しすることになりそうだ。

(奥野幸彦)

(インド)

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