ジャカルタ中心部に「ハラール・パーク」を開設

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年05月02日

ジョコ・ウィドド大統領は4月16日、ジャカルタ中心部のブンカルノ競技場内において、イスラムの教義で許された「ハラール」の飲食料品や化粧品、ファッションなどを専門に取り扱う商業区域「ハラール・パーク」の開所を宣言した。インドネシア政府は、2019年に500万人のハラール観光客を呼び込む目標を掲げている。世界で急速に拡大するムスリム観光客を取り込むとともに、国内のハラール産業を成長させる狙いがある。

開所したハラール・パークには、軽食店、化粧品、ヒジャブ(注)販売店などが入居している。内閣官房のプレスリリースによると、同ハラール・パークを中核にして、周辺地域2万1,000平方メートルをハラール地区として開発を進める予定だ。建設費用は約2,500億ルピア(約19億7,500万円、1ルピア=約0.0079円)を見込む。

同プレスリリースによると、ムスリム観光についての対応度(ムスリムフレンドリーさ)を示す「Global Muslim Travel Index」で、インドネシアは2019年に世界1位のハラール観光国となった。ドバイ・イスラム経済開発センター(DIEDC)とトムソン・ロイターが発表した「State of the Global Islamic Economy Report 2018/2019」によると、世界のハラール観光の市場規模は2017年に1,770億ドルだったが、2023年には2,740億ドルに達すると見込んでおり、インドネシアの同市場も拡大が期待される。

写真 4月16日にオープンしたハラール・パーク(ジェトロ撮影)

4月16日にオープンしたハラール・パーク(ジェトロ撮影)

(注)ムスリムの女性が、コーランの教えに従って頭髪を隠すために使用する布。

(山城武伸)

(インドネシア)

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