住友商事が初の日系専用工業団地を開発へ

(バングラデシュ)

ダッカ発

2019年05月31日

住友商事は5月26日、バングラデシュの経済特区庁(BEZA)と日系専用工業団地の開発に関する合弁契約を締結した。今回開発される工業団地は「バングラデシュ経済特別区」で、首都ダッカから東に30キロほどに位置するアライハザールにあり、ダッカ市内から車で60分ほどの距離だ。190ヘクタールを先行開発し、段階的に拡張を行う予定だ。2020年度から入居募集が始まり、2021年度の稼働を目指す。日系企業専用の経済特区が開発されるのはバングラデシュにおいて初めての試みだ。

工業団地の開発は住友商事とBEZAの合弁会社が主体となり、総事業費は130億円強の予定だ。住友商事は76%を出資し、BEZAの出資分(24%)は国際協力機構(JICA)が円借款で供与する。また、JICAの技術支援プロジェクトにおいて、同経済特別区の入居企業に対するワンストップサービス(OSS)を提供する予定で、同国の課題となっている行政手続きの煩雑さの緩和が期待される。

合弁契約の署名式に登壇した首相府のノジブル・ラーマン首席次官は、5月末のハシナ首相の訪日を控えるタイミングで、合弁契約書の署名にこぎ着けることができたことに祝意を示した。また、同府のアブル・アザド筆頭調整官は、計画どおりの開発を期待するとした上で、「首相府は協力を惜しまない」と述べた。

経済特区(EZ)は、輸出加工区(EPZ)とは異なり、内需向けの生産も可能だ。バングラデシュ政府は、2030年までに100カ所の経済特区を開発する予定だ。最大消費地であるダッカへの利便性の高いアライハザールに日系企業専用の経済特区が開発されれば、バングラデシュへの一層の日系企業進出にも期待が持てそうだ。

写真 住友商事とBEZAによる合弁契約の署名式(ジェトロ撮影)

住友商事とBEZAによる合弁契約の署名式(ジェトロ撮影)

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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