食品加工展示会に中国や欧州勢が積極出展

(エチオピア)

アディスアベバ発

2019年05月14日

エチオピアの農産品加工・食品包装展示会「第3回アグロフード・プラストプリントパック」が5月9~11日に首都アディスアベバで開催され、約3,200人のビジネス関係者が来場した。18カ国の152社が出展し、中国が50社以上で最大、ドイツ19社、イタリア15社、トルコ13社、フランス7社と続き、欧州の積極姿勢も目立った。また、5カ国(中国、フランス、ドイツ、イタリア、トルコ)は自国パビリオンを出展した。

写真 ドイツパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

ドイツパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

写真 フランスパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

フランスパビリオンの様子(ジェトロ撮影)

会期中にはセミナーも開催され、テーマは食品廃棄ロス、収量向上、リサイクル、収穫後の貯蔵とカビ毒など多岐にわたった。スタートアップを含む中小企業の資金調達に関するセミナーでは、スタートアップ支援を行うアイス・アディスも登壇、30人超が参加して盛況だった。資金調達手段の基本や投資家が重視する判断ポイントなどが紹介された。

出展ブースではバナーやカタログなどが多く、小型サンプルを除くと、製品展示はまれだった。エチオピアで開催される展示会の多くが保税扱いではない中で、この展示会は保税展示可能となっているが、輸送コストなどを勘案して、多くの企業が製品を持ち込まないようだ。製品を展示していた中国企業は「エチオピア国内に代理店があり、在庫を運び入れた」と話していた。

パン製造機械を扱うトルコ企業は自国から製品を持ち込んだが、関税を払って搬入したという。同社はエチオピアの市場性や来場者の反応について、「人口は多く魅力的だが、支払い能力がある来場者が少ない。中国製品と比べて価格が高いと言われるなど、とにかく低価格を好む」と述べたが、「1、2社でも興味を持ってもらえば、目的は果たせる」と前向きだった。

ドイツと日本の合弁企業は「来場者数と質は期待したほどでなく、今回の出展はコストが上回るとみている。ただ、エチオピアは未知の市場であり、実際に市場が動き始めてからの取り組みでは遅い」と語った。

(関隆夫)

(エチオピア)

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