スタートアップの資金調達額、過去最高を上回るペースで増加

(イスラエル)

テルアビブ発

2019年05月10日

イスラエル・ベンチャー・キャピタル(IVC)リサーチセンターによると、4月までの4カ月間でイスラエルのスタートアップが調達した資金総額が23億ドルに達し、過去最高を記録した。2018年の64億ドルを上回るペースで増加している。特に4月は「過ぎ越しの祭り」で月の半分は休業している企業が多いにもかかわらず、調達額は7億5,000万ドルに達した、とイスラエルの経済紙「グローブス」(電子版5月1日)が報じた。

4月の調達額のうち、6億ドルは9社への大型案件が占めた。人工知能(AI)と行動経済学を基に、米国市場で安価な家財保険を提供するレモナード保険(Lemonade Insurance外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、2015年6月設立)は、シリーズDラウンドでソフトバンクグループ、アリアンツ 、アワクラウドなどから3億ドルを調達した。残りの8社は添付資料のとおり。

2018年のイスラエルのスタートアップ開業数は、356社とピーク時(2014年、1,366社)の26%となったが、スタートアップ全体の調達総額は増加している。アーリーステージの1社当たりの投資額が増えたこと、2014年前後に創業したスタートアップが成熟期を迎えたことが背景と考えられえる。

前述の9社のうち、6社はシリーズC以降の投資ラウンドにあり、いずれも米国に拠点を構え事業の本格展開期にある。

(荏原昌)

(イスラエル)

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