インドネシア国産の電動バイクを販売

(インドネシア)

ジャカルタ発

2019年05月13日

ジャカルタで4月25日~5月5日に開催されたインドネシア国際モーターショー(IIMS)で、電動バイク「グシッツ(Gesits)」の予約販売が開始され、注目が集まっている。国内の大学と民間、国営企業が製造開発に協力し、バッテリーを除くほとんどの部品を国内で調達した国産バイクだ。2018年11月にはジョコ・ウィドド大統領が試乗するなど、政府からも期待されていた。

グシッツは、自動車販売などを手掛けるギャラリンド・グループとスラバヤ工科大学(ITS)が中心となって開発した電動バイクで、2015年に発表された。その後、製造開発に建設大手のウィコン、兵器製造のピンダッド、石油大手のプルタミナ、通信大手のテレコムニカシ・インドネシアなど複数の国営企業が開発に協力した。グシッツ・テクロノジーズ・インドネシア(PT.GTI)によると、部品の国産化率は9割超を達成した。地場企業による電動バイクの製造販売は、2017年6月に販売開始したフィアル・モトル・インドネシアに次いで2例目となる。

今回、予約販売が開始されたモデルは、スクーター型で、座席の下に充電式バッテリーを最大2本まで搭載できる。バッテリー1本当たりの走行可能距離は約50キロ。電力公社(PLN)が街中に設置している公共充電ステーション(SPLU)に接続すると、約3時間でフル充電される。さらにプルタミナが設置するバッテリー交換所も利用できる。販売価格は2,495万ルピア(約18万9,600円、1ルピア=約0.0076円)から。

報道によると、PT.GTIのハルン最高経営責任者(CEO)は、2019年中の生産目標を2万5,000台と説明した。今後、ジャカルタに販売代理店を設置し、販売を本格化させる計画だ。

写真 IIMSで予約販売が開始された国産電動バイク「グシッツ」(ジェトロ撮影)

IIMSで予約販売が開始された国産電動バイク「グシッツ」(ジェトロ撮影)

(山城武伸)

(インドネシア)

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