テキサス州の輸出は全米最大、今後の通商政策の影響を注視

(米国)

ヒューストン発

2019年05月02日

ダラス連邦準備銀行は4月11日、「世界的競争力のあるテキサス州、米国通商政策に敏感」と題するレポートを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによれば、テキサス州は米国最大の輸出州であると同時に、世界貿易においても強い地位を築いており、石油・石炭製品のほか、コンピュータ機器や宇宙機器・部品、自動車部品などの輸出に比較優位がある。一方、世界市場における同州のライバルは日本、韓国、シンガポール、ドイツ、イスラエルなどとし、中国から輸入する電子部品に対する関税の引き上げにより、同様に中国から電子部品を輸入している日本、韓国、シンガポールとの競争が厳しくなる、と分析している。

2019年2月の同行の製造業者に対する調査によれば、回答企業の30.8%が事業への悪影響の要因として「追加関税」を挙げている。また、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)によるメキシコとの貿易への影響次第では、テキサス州の製造業の世界市場での位置付けに影響を及ぼす可能性があるという。

米国商務省が発表した2018年州別輸出額の貿易統計(通関ベース)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)をみると、テキサスが全米首位で3,154億ドル(全米に占める比率:19.0%)、2位のカリフォルニアが1,784億ドル(10.7%)、3位のニューヨークが815億ドル(4.9%)だった。テキサスの輸出額は前年比1.19%増となり、全州(1.08%増)でみても高い伸びを示した(表参照)。

表 2017年および2018年米国の州別輸出額上位10州(通関ベース)

2018年のテキサス州の輸出額を品目別外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにみると、石油(シェア:29.0%)、プロパンガス(4.2%)など石油関係品目のほか、機械部品(3.4%)、航空機製品および部品(2.7%)電子集積回路(2.0%)などが上位を占める。

また、輸出相手国をみると、テキサス州最大の輸出先はメキシコ(シェア:34.8%)で、カナダ(8.7%)、中国(5.3%)、韓国(4.2%)、日本(3.8%)がこれに続く。

(小山勲)

(米国)

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