マイクロソフト、アフリカ初の開発拠点をケニアとナイジェリアに設置

(ケニア、ナイジェリア)

中東アフリカ課

2019年05月22日

米国ソフトウエア大手マイクロソフトは5月13日、ケニア・ナイロビとナイジェリア・ラゴスにアフリカ開発拠点(ADC)を同時に設置したと、同社のプレスリリースを通じて発表した。エンジニアを置く開発拠点は同社として世界で7、8カ所目、アフリカでは初めてとなる。同発表によると、既に2カ所のADCではエンジニアが働き始めており、2019年内に正規雇用を100人、2023年までに500人まで拡大させる計画で、総投資額は1億ドルの見込みだ。

同社は、アフリカの情報通信技術(ICT)分野に早くから関心を示していた。30年前にアフリカに初めて販売事務所を設置し、2019年3月には同地域初となるデータセンターを南アフリカ共和国のヨハネスブルクとケープタウンに開設した。また、オンライン上の支払い・商取引サービスを提供するインタースイッチ(ナイジェリア)、エネルギー系スタートアップのサン・カルチャー(ケニア)やエムコパ・ソーラー(ケニア)などと既に協力関係にある。

マイクロソフトの執行副社長で今回の投資の責任者であるフィル・スペンサー氏は、ADC設立は「フィンテック、アグリテック、オフグリッド・エネルギーの分野で、パートナー企業、学術機関、政府、開発者などと一層連携する機会をもたらす」と説明した。報道によると、ウィンドウズ、オフィス、アジュールなどの既存ツールが扱われるほか、人工知能(AI)、複合現実、機械学習技術などを使ったサービスが開発される予定だ。

テック系企業が続々とアフリカに進出

アフリカでは近年、通信環境が改善していることを背景に、テック系企業の進出が相次ぐ。直近では、グーグルが2019年4月に、アフリカ初のAI研究所をガーナ(アクラ)に設置したばかり。また、IBMは2013年にケニア(ナイロビ)、2016年には南ア(ヨハネスブルク)に研究所を、フェイスブックは2015年に同社初のアフリカ事務所を南ア(ヨハネスブルク)に設置した。

(山崎有馬)

(ケニア、ナイジェリア)

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