ハンガリー首相が「一帯一路」フォーラムに参加、中国との関係強化を確認

(ハンガリー)

ブダペスト発

2019年05月16日

中国との経済関係強化を進めるハンガリーのオルバーン・ビクトル首相は4月25~27日、北京で開催された第2回「国際協力一帯一路フォーラム」に出席するため、シーヤールトー・ペーテル外務貿易相やパルコビッチ・ラースロー技術・革新相とともに、中国を訪問した。両国はブダペスト~ベオグラード(セルビア)間の高速鉄道を含むインフラ整備や研究交流、観光分野での関係を強化していくことで一致した。

25日に行われた習近平国家主席との会談でオルバーン首相は、ハンガリーが中国と中・東欧の関係強化に努めるとした。習国家主席は、2019年が中国とハンガリーの国交樹立70周年であることに触れ、より深い戦略的な相互連携への期待を示した。

シーヤールトー外務貿易相は同日、ブダペスト~ベオグラード間の高速鉄道化工事について、中国とハンガリーの合弁会社が落札したことを公表し(企業名は明らかにされていない)、5月25日に契約を締結するとした。また、今夏に中国輸出入銀行から資金調達を受ける計画も明らかにした。計画では、遅くとも2020年に着工し、5年以内に完工したい考えだ。

さらに、ブダペスト~クルージュナポカ(ルーマニア西部)間の鉄道の高速化工事に中国が資金や技術面で協力することや、両国間の航空交通の一層の活発化を目指すことについても合意した。特に航空旅客輸送については、ブダペスト~上海間(週3便)の新規就航が決定し、ブダペスト~西安間の新規航路も検討されるという。

インフラ協力の面では、中国国内の都市化計画にハンガリーの建設企業やエンジニアが参加することと、アジアやアフリカでの水道管理事業展開のため、ハンガリーと中国の合弁会社を設立することが確認された。

ハンガリーと中国合同で大学を設立することや、国立セゲド大学(ハンガリー南部)が中国通信大手の華為技術(ファーウェイ)と通信分野の研究開発で人的交流を促進することについても合意し、研究面での交流を加速させる考えだ。

なお、ハンガリー中央統計局によると、2018年にハンガリーを訪れた中国人観光客数は25万6,000人で、2015年比で約3倍となっている。ブダペスト空港の管理会社は5月3日、増加する中国人観光客に対応するため、空港内で中国語表記や中国語スタッフを配置したり、中国の電子マネーのアリペイとユニオンペイの利用を可能にすると発表し、中国人利用者の利便性向上をアピールしている。

(バラジ・ラウラ、本田雅英)

(ハンガリー)

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