日本市場を目指し、V4のIT企業が東京に集結

(スロバキア、チェコ、ハンガリー、ポーランド)

欧州ロシアCIS課

2019年05月16日

V4(ビシェグラード4カ国:スロバキア、チェコ、ハンガリー、ポーランド)の在日大使館は5月7日、ハンガリー大使館で「V4+Japan ITウイークセミナー」を共催した。セミナーは日本とV4のIT企業のネットワーキングを目的としており、日本側から約70社、V4側からは30社参加した。V4企業の多くは、都内で開催される日本最大のITイベント「2019 Japan IT Week 春 後期」(注)に合わせて来日している。

冒頭のあいさつで、スロバキアとハンガリーの駐日両大使は4月25日にスロバキアの首都ブラチスラバで開催された「V4+日本」首脳会合に言及し、両地域間にさらなる経済協力の機運が高まっていると指摘した。また、経済交流について、製造分野に加えてITや研究開発分野に拡大させていくことを強調した。その後、参加した日本企業に対して、V4側の各社から5分ずつ企業紹介が行われた。各社の事業内容は、サイバーセキュリティー、モバイル決済、温室栽培管理、IT人材の評価システムなど多岐にわたった。

参加したV4側企業の多くは、日本進出に向けて日本でのビジネスパートナー探しに注力している。ハンガリーのIT企業ワイユーエスピー(YUSP)は、前年に続き2度目の来日。同社は消費者のオンラインショッピングやスーパーマーケットなど実店舗での行動をデータ化し、顧客の趣向を分析するシステムを提供しており、数社の日本企業と既にパートナーシップを結んでいる。日本では、言語や文化の壁に加え、商談相手となる日本企業内の意思決定者を見つけるのに苦労しているとしながらも、電子商取引(EC)などが拡大する日本市場に商機を見いだし、さらなる事業拡大を狙っている。

V4の大使館関係者によると、IT分野の日本の市場規模は大きく、V4企業の日本進出はアジア市場開拓の足掛かりになるという。セミナーは前年に続き2回目の開催で、関係者らは来年も開催する意欲を示した。

写真 V4企業によるプレゼンテーション(ジェトロ撮影)

V4企業によるプレゼンテーション(ジェトロ撮影)

(注)関東で年2回、関西で年1回開かれるIT展示会で、関東は「春」と「秋」の2回開催されている。2019年は「春」の展示会を前期(4月)と後期(5月)に分けて開催している。

(山田広樹)

(スロバキア、チェコ、ハンガリー、ポーランド)

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