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日系企業、EPA活用で価格競争力や財務改善

(スペイン)

マドリード発、欧州ロシアCIS課

2019年05月01日

日EU経済連携協定(EPA)が2019年2月1日に発効して以降、スペイン側輸入者による特恵待遇要求は発効後1カ月強で1,500件を超え、輸入額でみると5,000万ユーロ近く(当地税関)に上り、積極的に利用されている。日系企業を含め、自動車関連や電気電子機器、化学品分野の企業による利用が多いという。ジェトロは、日本から輸入を行うスペイン進出日系企業に日EU・EPA活用について聞いた(2019年4月)。

自動車販売A社は「原産性確認に時間を要するが、スペインでは現地メーカーとの競争が熾烈(しれつ)なことから、日本からの輸入車の価格競争力向上のインパクトは大きい」と評価する。また、化学品商社B社は「主力製品に課されていた約5%の関税が即時撤廃された。客先によっては代金回収に時間がかかるが、最初にまとまったコスト削減が得られ、キャッシュフローにも大きなメリットがあった」と話す。

他方、自動車部品メーカーC社は「現在のサプライチェーン下では、原産性証明の労力に対する利益が限定的。今のところ活用していない」「製品点数が多過ぎて、川上サプライヤーとの確認に時間がかかる」と、特恵関税適用に関する課題を指摘した。

日EU・EPAでは、「輸出者が作成した原産地申告文」または「輸入者の知識」による特恵関税の要求が可能だが、当地税関によると、実際の要求における割合はほぼ半々だという。輸入通関時の特恵関税申請がされたケースに対しては、税関による原産性の確認(いわゆる検認)の実施はまだないが、輸入通関後に輸入者が遡及(そきゅう)的に特恵関税適用要求をした事例では、検認を実施したこともあるという。

当地日系フォワーダーは「検認は国・年度別に実施される。発効直後の日EU・EPAについては未実施」としつつも、「スペイン国内法での書類保存義務は5年で、スペイン税関は通関時から最長5年間さかのぼって検認を行う可能性があるため、スペイン側の輸入者には原産地関連の書類を5年間保管するよう推奨している」と語る。また、「スペイン税関は原産地規則の運用はスムーズだが、関税コードの記載不備や虚偽申請にはとても厳格だ。違反の場合、程度に応じて本来支払うべき関税額の10%から2倍相当までの罰金を定めた租税法などの罰則の可能性を念頭に、不安な点は専門家に確認することが望ましい」とする。

日系の自動車販売A社は「日本の本社で原産性確認を行っていることから、日本(輸出者)からの申告の方が合理的」としている。

(伊藤裕規子、鷲澤純)

(スペイン)

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