上海が5G実用化の先頭に立つか

(中国)

上海発

2019年05月13日

上海市と中国3大通信会社(注)の1つである中国聯通網絡通信集団(以下、チャイナユニコム)が主催する「5G通信、ともに見る未来」をテーマとする「上海5Gイノベーション発展サミット・中国聯通グローバル産業チェーン提携パートナー大会」が4月23~25日に、上海世博センターで開催された。世界的にも有名な3,000社を超える通信運営会社や産業チェーン提携パートナーらが来場した。チャイナユニコムによると、多くの会社と契約締結するなどの成果があった。

開幕式には、上海市の応勇市長、呉清副市長、工業信息化部の張峰総工程師、チャイナユニコムの王暁初董事長などが出席した。応勇市長は、第5世代移動通信システム(5G)などの次世代通信技術を積極的に運用し、産業の高度化を実現させることで、長江デルタ一体化発展の国家戦略に貢献できると述べた。また、上海市には既に5G基地局が500近くあり、上海は中国初となる5G試用都市になると語った。開会式では、上海市とチャイナユニコムとの間で、「5Gネット建設およびイノベーション応用の深化、新たな情報基礎施設建設の戦略提携枠組み協議の推進」という協議書も交わされた。協議書では2021年までに、チャイナユニコムが上海市に150億元(約2,400億円、1元=約16円)を投資し、3万基以上の5G基地局を建設するとしている。

中国移動通信集団(チャイナモバイル)の子会社である上海移動通信は、2月に高速鉄道ターミナル駅の上海虹橋駅で5Gシステムネットワークの整備事業を開始し、3月には上海市の虹口サッカースタジアムで5Gによる初の携帯電話の通話イベントを開催した。上海市は3大通信会社が5Gのモデル都市と位置付けており、5Gの実用化がいち早く進むことが予想される。

(注)3大通信会社とは、中国移動通信集団、中国電信集団、中国聯通網絡通信集団を指す。

(侯恩東)

(中国)

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