ネパールでもウィーチャットペイとアリペイが使用禁止に

(中国、ネパール)

中国北アジア課

2019年05月22日

ネパール中央銀行(NRB)は5月20日、ネパール国内で中国の決済アプリのウィーチャットペイ(微信支付)とアリペイ(支付宝)の使用を禁止すると発表した。NRBは、ネパール政府の許可を得ずにそれらの電子マネーを使用した場合、法律によって罰せられるとした。

ネパールでは中国人観光客の増加により、一部の店舗やガイドへの支払いに対し、中国国内で使用されるウィーチャットペイやアリペイのQRコードを用いて電子決済を行うケースが散見されている。中国国内で使用されるQRコードで支払いした場合、決済は中国側で行われるため、ネパール側は資金の流れを把握することができず、脱税などの違法行為につながる恐れがある。

ウィーチャットペイとアリペイによる電子決済を制限する動きは既にベトナムやロシアで見られる。2018年6月にベトナムはこれら電子決済を「非合法な決済ツール」と見なし、使用を禁止した。一部報道によると、違反者は最高で1億5,000万ドン(約70万5,000円、1ドン=約0.0047円)から2億ドンの罰金が科せられる。また、2018年11月にロシア連邦議会下院で、ウィーチャットペイとアリペイなど外国の電子決済ツールサービスをロシア国民に提供することを禁じる草案が出された。電子決済サービス企業がロシア国民にサービスを提供するためには、まず同国で法人登録した上で、ロシア中央銀行から資金の振り込み許可を取得する必要があるとした。

今回の報道を受け、アリペイを運用する螞蟻金融の担当者は「当社はすでに管理を強化しており、一定の効果を得ている」と述べた。一方、ウェーチャットペイ側も「国外のユーザーはウィーチャットペイの提携先を通じ、規則に従った支払いを行うべきだ」とコメントした(「上観新聞」5月22日)。

(方越)

(中国、ネパール)

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