主要国・地域の対北朝鮮貿易の動向、2018年は中国の輸入が大幅減

(中国、韓国、北朝鮮)

中国北アジア課

2019年05月20日

米国と北朝鮮の両首脳による2回目の米朝首脳会談が2月27~28日に、ベトナムのハノイで開催された。両国をめぐる情勢は今後も注視していくことが必要だが、ジェトロはこのほど、世界各国の貿易統計をデータベース化したグローバル・トレード・アトラス(Global Trade Atlas)を基に、主要国・地域の対北朝鮮貿易の推移をまとめた。

表1は、中国や韓国など40カ国による対北朝鮮の貿易動向を示したものだ。2018年において、中国は輸出で22億1,800万ドル、輸入で1億9,500万ドルと、40カ国中でそれぞれ90%台のシェアを有し、対北朝鮮貿易では引き続き圧倒的な存在感をみせている。ただし2018年は、輸出が前年比33.4%減、輸入は88.2%減と大きく減少した。

表1  主要国・地域の対北朝鮮輸出入の推移

特に中国の輸入は、鉱物性燃料(前年比97.2%減)、鉱石、スラグ灰および灰(86.4%減)、塩、硫黄、土石類、プラスターなど(75.9%減)の資源関連が大幅に減少した(表2参照)。国連安全保障理事会決議第2371号(2017年8月採択)により、北朝鮮産石炭や鉛鉱石などの輸入が禁止されたことが背景にあるとみられる。

表2 中国の対北朝鮮輸出入の推移

韓国の2018年の北朝鮮との貿易統計は未発表だが、2015年まで韓国は中国に次ぐ貿易相手国だった。しかし、北朝鮮南部の開城(ケソン)工業団地の閉鎖により、2017年以降は南北間の貿易は中断した状態にある。

(水谷俊博)

(中国、韓国、北朝鮮)

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