ボーダフォン、ルーマニア初の5Gモバイルネットワークの商用サービスを開始

ボーダフォン・ルーマニアは5月15日、国内で最初の第5世代移動体通信規格（5G）である「スーパーネット5Gモバイルネットワーク」の商用サービスを開始したと発表した。今回のサービスは、既存のラジオ向け5Gの無線周波数帯を使用して運用が行われる。

現在、ルーマニア国内で、5Gに対応する携帯端末はまだ販売されていないが、2019年の夏には販売が開始される予定だ。5Gのエリア展開については、まずはブカレストの一部地域（ピアッツァ・ウニリィ、コガルニチャーヌ、イズボル、ピペラ・ボルンタリ）が対象となり、2019年末までに他の主要都市へ対象地域を拡大していく見込みだ。

5Gに対応するスマートフォンで実施されたボーダフォン技術センターのテスト結果によると、ダウンロード速度は955Mbps（注）、アップロード速度は52.6Mbpsに到達したという。実際に5Gスマートフォンを利用する場合では、ダウンロード速度は最大500Mbpsで、また、データの転送の際に生じる遅れは4Gネットワーク場合の半分となる。

ボーダフォン・ルーマニアはイノベーションを優先投資分野としており、これまで、国内の他の通信事業者に先駆けて、2G（2001年）、3G（2005年）および4G（2012年）を提供してきた。2018年には、ルーマニア全国をカバーするIoT（モノのインターネット）向けの無線モバイル通信方式として、NB－IoT（Narrow Band IoT）のサービスを開始した。

なお、欧州委員会は3月26日に、5Gネットワークのセキュリティー対策に関するEU共通方針を発表した（2019年3月27日記事参照）。これを受けて、EU加盟国は6月30日までに、各国レベルで5Gネットワークインフラのリスク評価を完了することが求められている。

（注）Mbpsは、1秒間に送受信可能なデータの量を表す単位。数値が大きいほど、通信速度が速い。

（ミンドル・ユニアナ）