北米最大のテックカンファレンス「コリジョン」がトロントで開幕

(カナダ)

トロント発

2019年05月27日

北米最大といわれるテックカンファレンス「コリジョン(Collision)」が5月20日、カナダ・トロントで開幕した。主催者によると、同分野のイベントとしては北米で最も急速に成長しており、米国のラスベガス、ニューオーリンズでの開催を経て、6年目を迎える2019年は米国外で初の開催となった。向こう3年間は、トロントでの開催が決まっており、今回は開催期間の4日間(5月20~23日)で700人を超えるスピーカー、2万5,000人を超える参加者の動員が見込まれている。会場となったエナケア・センターでは、隣接する屋内駐車場を食事提供用のフードトラックエリアとして開放するなど、施設を最大限に利用した開催となった。

フィンテックや環境保護などがテーマのカンファレンスエリアを設営

会場では、大小20のカンファレンスエリア(注)が設営され、初日の5月20日はトルドー首相が基調講演を行ったほか、翌5月21日には米国ハリウッド俳優でテック起業家のジョセフ・ゴードン=レビット氏によるプレゼンテーション、スタートアップや大手金融機関によるフィンテックについてのディスカッション、北米60社のピッチコンペやスタートアップを対象としたワークショップなど、さまざまなセッションが開催された。さらに、米国のアマゾンやマイクロソフトをはじめ、北米を中心とするIT企業、スタートアップ、各地の投資誘致機関176社がブースを構成した。

米国シリコンバレーをよく知る日本企業の参加者は「西海岸のテックイベントに比べて、二酸化炭素の削減など、何らかの社会的ミッションを果たそうとする企業が多いように見受けられた」と話す。実際、カンファレンスエリアの1つとして「プラネットテック(planet:tech、地球:テクノロジー)」と題したエリアが設けられ、海洋保護、食品革命、ゼロ・エミッションなどをテーマに、1日で16ものセッションが開かれ、テクノロジーを用いた課題解決の手段について白熱した議論が交わされた。

写真 「ベンチャー」ステージで次のシリコンバレーとなる都市について語るパネリストたち(ジェトロ撮影)

「ベンチャー」ステージで次のシリコンバレーとなる都市について語るパネリストたち(ジェトロ撮影)

写真 VC(ベンチャーキャピタル)の将来像について語る登壇者(ジェトロ撮影)

VC(ベンチャーキャピタル)の将来像について語る登壇者(ジェトロ撮影)

写真 「プラネットテック」ステージで慈善事業資金の最も効果的な社会還元方法について話すパネリストたち(ジェトロ撮影)

「プラネットテック」ステージで慈善事業資金の最も効果的な社会還元方法について話すパネリストたち(ジェトロ撮影)

(注)ここでは、産業・テーマ別でワークショップやラウンドテーブルのため設けられたプレゼンコーナーを指す。

(飯田洋子)

(カナダ)

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