蘇州賽騰精密電子、神奈川県の半導体設備メーカーのオプティマを買収

(中国)

上海発

2019年05月22日

中国大手自動化設備メーカーの蘇州賽騰精密電子(Secote)は5月10日、半導体関連検査装置・測定装置メーカーのオプティマ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを買収すると発表した。同社はまず、香港にある完全子会社を通じて27億106万円でオプティマの株式67.5%を取得し、さらに12億円で第三者割当増資を引き受け、最終的に75.0%の株式を獲得する見通しだ。

オプティマは2015年2月に設立された企業で、神奈川県川崎市に本拠地を置いている。半導体関連装置のほか、健康や美容機器の開発も行っている。蘇州賽騰精密電子の公告によれば、オプティマの2018年度の売上高は1億7,876万元(約28億6,016万円、1元=約16円)、純利益は3,071万元だった。

蘇州賽騰精密電子は2002年に設立された企業で、自動車分野をはじめ、家電、半導体、リチウム電池などを生産する自動化設備の開発や製造販売を行っている。同社は2017年12月に上海証券取引所へ上場し、江蘇省蘇州市に本部を置くほか、無錫市や上海市、深セン市、香港、米国にも拠点を設けている。ここ数年、中国が進めている製造設備のスマート化や自動化を追い風に業績は好調だ。2018年の売上高は前年比32.4%増の9億439万元で、純利益は26.5%増の1億2,104万元だった。一方、中国では半導体分野の国産化を急ぎ進めており、今回の買収を通じて、同社は半導体関連事業の強化を狙う。

中国の対外投資は縮小傾向に

一方で、中国企業の海外進出意欲は減退傾向にある。商務部の発表によると、2019年第1四半期に中国企業が新規設立あるいは資本参加した海外企業数(実行ベース)は前年同期比1.8%増の2,060社だが、投資額は1.1%減の252億1,000万ドルとなった(表参照)。また、先行指標である契約ベースでは、対外投資を予定する中国企業数と出資額はいずれも4割台の大幅減となった。

表 中国企業の対外直接投資(金融類を除く)

(劉元森)

(中国)

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