トルクメニスタン大統領、自国港湾とカザフスタン結ぶ道路計画を支持

(トルクメニスタン、カザフスタン)

欧州ロシアCIS課

2019年04月12日

トルクメニスタンのグルバングルィ・ベルディムハメドフ大統領は4月5日、ビデオカンファレンス形式による閣僚会議を開催し、トルクメニスタンのカスピ海沿岸の港湾都市トルクメンバシから、ガラ・ボガズ・ゴル湾とベグダシを経由し、カザフスタンに至る道路を整備する計画案を支持した。トルクメニスタン政府が開発に力を入れるトルクメンバシ港へ、カザフスタン経由の陸上貨物・旅客輸送量を増やすことが狙い。

道路が整備されるのは、トルクメンバシからカザフスタン国境までの約225キロ(添付資料参照)。幅員は22.5メートルで、ガラ・ボガズ・ゴル湾を越える地点には長さ354メートル、車道幅員18メートルの新しい橋が建設される。トルクメニスタン側は、道路整備と橋の建設でカザフスタンから(経由)の貨物・旅客輸送量の増加を期待する。ベルディムハメドフ大統領はアマンゲルディエフ副首相(建設・電力・公共事業担当)に対し、道路建設事業に関しては技術的評価と、同湾との関係での環境影響評価を入念に実施するよう指示した。

具体的な着工・完工スケジュール、事業費などの詳細は現時点では示されていない。同区間の道路建設事業の構想自体は、2018年4月にトルクメンバシで開催された「トルクメニスタン=カザフスタン・ビジネスフォーラム」の場で発表されている。同年8月のカスピ海の法的地位に関する合意を受け(2018年8月13日記事参照)、カスピ海を経由した経済交流の機運が高まっている。沿岸国のカザフスタンはアクタウ港、アゼルバイジャンはバクー(アリャト)新港の整備、両港間の定期フィーダー便導入が進むなど、物流関連のインフラ整備事業は構想から実行段階に徐々に移行している。

(高橋淳)

(トルクメニスタン、カザフスタン)

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