ハリウッド映画が世界に先駆け中国で公開

(中国)

上海発

2019年04月22日

米国マーベルのアベンジャーズシリーズ最新作「アベンジャーズ/エンドゲーム」が中国で4月24日に公開される。4月12日に前売り券が発売され、わずか4日間で売上額は3億元(約51億円、1元=約17円)を記録した。初日のオープンニング上映の前売り券の販売額も既に1億元以上に達し、中国で上映された映画の中で最も早く1億元の興行収入を収めた。

中国マーケットを重視

中国の映画マーケットは、2月の春節後から5月の労働節(日本のゴールデンウィークに相当)までは閑散期に当たる。今年も4月に好評が見込まれた米国のスーパーヒーロー映画「シャザム」の興行収入が2億7,500万元、口コミで広がったフランスの短編映画をリメークしたインド映画「Andhadhun」の興行収入は2億1,400万元にとどまった。

一方で、「アベンジャーズ/エンドゲーム」は、北米や日本での公開〔4月26日(金)〕よりも2日早く中国で公開することで、新しいもの好きな中国人、特に流行に敏感な沿岸部の大都市の消費者の心をつかみ、通常の映画チケットが100元前後のところ、600元で販売している映画館もある。

中国で上映される日本映画では、第1四半期(1~3月)には6本が公開され、4月にも2本の公開が予定されている。興行収入の差は大きく、公開時期については全てが日本より遅い(表参照)。

表 2019年に中国で公開された日本映画(2019年4月時点)

2016年に中国で上映され、約5億8,000万元の興行収入を得て大ヒットしたアニメ「君の名は。」は、日本より公開が3カ月遅れたが、日本での好評が中国に伝わり、結果的に成功を収めた。

3月に公開された「夏目友人帳」(日本名「劇場版夏目友人帳~うつせみに結ぶ~」)も、日本での公開から5カ月遅れの中国公開だったが、1億元を超える興行収入を上げている。

(張潔菁)

(中国)

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