サムスンがポーランドに3つ目のスタートアップ支援拠点を開設

(ポーランド)

ワルシャワ発

2019年04月19日

サムスン電子(韓国)は4月15日、ポーランド東部ビャウィストクにポーランドでは3つ目となるインキュベーション拠点を開設した。国連環境計画(UNEP)ワルシャワセンター、ビャウィストク科学技術パーク、スタートアップのインキュベーション・アクセラレーションを支援するヒュージテック(HugeTECH)との協働で、国連が定める持続可能な開発目標(SDGs)達成のための、課題解決に取り組むスタートアップを支援する。

サムスンはワルシャワの研究開発(R&D)拠点で、言語、コンピュータ・ビジョン、ビッグデータ、IoT(モノのインターネット)などの研究開発を行っている。インキュベーション施設のプログラム選考に選ばれたスタートアップは、サムスンの開発陣のメンタリングも受けることができる。サムスンはスタートアップへの技術的な支援にとどまらず、投資家を見つけるためのプロモーション支援も行い、優良なスタートアップはサムスンから資金面での支援も受けることができる。

サムスンは、2017年4月にポーランド南東のジェシュフに、2019年2月には東部のルブリンにインキュベーション施設を設けている。ジェシュフでは、ジェシュフ工科大学および航空機産業クラスターの「アビエーションバレー」と協働で、IoT分野のスタートアップを支援。12週間のインキュベーションプログラムを12社のスタートアップが修了している。2017年4月~2018年4月の間に、ハッカソンやビジネスワークショップ、外国人ゲストとのミーティング、小学校・職業学校の学生を対象にしたコーディングの授業など74の無料のイベントが開催され、延べ2,500人が参加した。

ルブリンでは、インターネットのセキュリティーを専門とする公的研究機関NASKおよびルブリン工科大学と協働で、サイバーセキュリティー分野のスタートアップを支援。サイバーセキュリティー分野の起業家の支援にとどまらず、地域コミュニティーのデジタル分野の能力向上も活動の目的としており、コーディングの授業やハッカソンなども企画する。

なお、サムスンは日本を含む世界12カ国にR&D拠点を構えており、欧州ロシアCIS地域の拠点はポーランドのほか、英国、ウクライナ、ロシアにある。

(深谷薫)

(ポーランド)

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