OECDのアルゼンチンGDP予測、2019年がマイナス1.5%、翌年はプラス2.3%

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年04月04日

OECDは3月27日、アルゼンチン経済に関する調査報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。それによると、足下では厳しい景気低迷に見舞われているものの、2019年下半期から経済は回復すると見込まれる。

報告書は2019年のGDP成長率をマイナス1.5%とし、2年連続のマイナス成長と予測する。一方、2020年は2.3%のプラス成長としている。経済回復の過程では、ファンダメンタルズに顕著なリスクが残っているとし、アルゼンチン政府には、信頼の回復と安定したマクロ経済基盤の構築、ガバナンスの改善、雇用の創出に向けた努力が求められるという。

OECDは、財政規律の立て直しがアルゼンチンへの信頼の回復につながるとしている。深刻な財政不均衡が長年続く中、解決に向けた政府による継続的な取り組みが国際社会への説得材料になると報告書は指摘する。マクリ政権はこの課題の解決に取り組んでおり、OECD加盟を目指す政権とOECDの方向性は似通っている。

景気低迷に苦しみながらも、国際社会から経済政策に一定の評価を得ているマクリ政権だが、国内での評価は厳しい。世論調査会社ダレッシオとベレンシュタインが発表した最新の世論調査PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、政権運営を「評価する」と回答したのは28%に過ぎず、69%が「評価しない」と回答している。2015年の大統領選挙で与党に投票した層でも「評価する」49%、「評価しない」47%と拮抗(きっこう)するなど、2019年10月の大統領選を控え、国際社会からの信頼回復と国民が求める景気回復の板挟みの中で政権運営が続くことになる。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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