消費者物価上昇率、ユーロ圏で最高に
(オランダ)
アムステルダム発
2019年04月26日
オランダ中央統計局(CBS)は4月17日、3月のオランダの消費者物価上昇率(HICPベース、注)が前年同月比で2.9%と、ユーロ圏(1.4%)の約2倍になったと発表した(表1参照)。オランダとユーロ圏平均の消費者物価上昇率の差はここ数カ月で急激に拡大しており、EUで1997年にHICPが導入されて以来、オランダの物価上昇率がユーロ圏で最高となったのは初めてで、主にエネルギーや食料品、飲料の価格上昇によるもの。
オランダのエネルギー価格は前年同月比16.7%増と急上昇しており、ユーロ圏で最高の上昇率となった(表2参照)。オランダでは住宅用エネルギーは主に電気と天然ガス、地域暖房で構成されており、特に天然ガスの使用比率が高い。ガスなどの価格上昇に加え、電気、天然ガスなどに課されるエネルギー税の増税も価格上昇の要因となった。
店頭で販売される食料品、ノンアルコール飲料の価格の上昇率も3.6%と、ユーロ圏(同1.3%)の約3倍で、ユーロ圏全体の中で最高の上昇率となった(表3参照)。
オランダでは1月から、付加価値税の軽減税率が6%から9%に引き上げられ、エネルギー税と特定の物品税も引き上げられた。これらが商品、サービスの価格上昇の要因となった。
(注)EUにおける統一的な基準による消費者物価指数。
(高橋由篤)
(オランダ)
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