2月の輸出額は前年同月比2.4%増、輸入額は5.4%減

(インド)

チェンナイ発

2019年04月03日

インド商工省は3月15日、2月の貿易統計(速報値)を発表した。輸出額は前年同月比2.4%増の266億7,000万ドル、輸入額は5.4%減の362億6,000万ドルとなった(図参照)。貿易収支は96億ドルの赤字で、前年同月の赤字額(123億ドル)より22%縮小した。

図  インドにおける輸出入額の推移

インド経済モニタリングセンター(CMIE)によると、輸出では、伝統的な輸出品目の石油製品と宝石・宝飾品以外の品目の輸出額は199億ドルで、前年同月比で5.3%増加した(表1参照、注)。主な輸出品目では、前年同月比で医薬品・精製化学品が9.4%増、機械・器具が10.7%増と伸びた一方で、鉄金属・非鉄金属が11.5%減、鉄・鋼鉄が8.6%減となった。鉄・鋼鉄の輸出額減について、鉄鋼省所管の統計機関であるJPC(Joint Plant Committee)は、鋼鉄生産量こそ増加しているものの、国内消費量が増えているため、輸出量が減少したと分析している(「エコノミック・タイムズ」紙2月17日)。

表1 インドの主要品目別輸出(通関ベース)

輸出額が伸び悩む背景について、インド輸出機関連合(FIEO)のガネシュ・クマール・グプタ会長は「世界的な景気減速などにより、中国やASEANなどアジア各国で製造業を中心に、経済が停滞している」と語った(同紙3月16日)。

原油・石油製品の輸入額は前年同月比8.1%減

輸入では、最大の輸入品目である原油・石油製品の輸入額が93億8,000万ドルで、前年同月比で8.1%減少した(表2参照)。原油・石油製品以外の輸入額は268億9,000万ドルで、4.4%減少した。主な輸入品目では、化学・化学関連品が8.8%増、一般機械が5.4%増と伸びた一方で、金・銀が13.5%減、真珠・貴石が17.5%減となった。金の輸入額減については、市場価格の下落が要因の1つと指摘する声もある(同紙3月24日)。

表2 インドの主要品目別輸入(通関ベース)

(注)本短信における主要品目別分析は、インド経済モニタリングセンター(CMIE)のデータを用いており、商工省発表の貿易統計(速報値)と誤差が生じる。

(榎堀秀耶)

(インド)

ビジネス短信 ab4934a0e00ad51e