第8回EU韓国FTA貿易委員会、ソウルで開催

(韓国、EU)

ソウル発

2019年04月18日

ソウルで4月9日、ユ・ミョンヒ産業通商資源部通商交渉本部長と、欧州委員会のセシリア・マルムストロム委員(通商担当)の共同議長の下で、EUと韓国の自由貿易協定(FTA)の第8回貿易委員会が開催された。

委員会では、2011年7月に発効したEU韓国FTAが双方の経済に与えている効果やFTA批准条件の履行状況などを検証・確認するとともに、保護貿易主義への共同対応について協議した。

EU韓国FTAの経済的な効果として、貿易分野では、世界的な景気減速の中でもEU韓国間の貿易は拡大しており、2018年の貿易規模は協定発効前と比べて30%増加し1,200億ドルを記録した。サービス貿易の分野では、EUが82%、韓国が66%と大幅に増加し、欧州委員会が実施した外部評価によると、約50億ユーロの経済効果をもたらした(表1、2参照)。

表1 EU韓国の貿易額の推移
表2 主な輸出品目の増加(2010年から2018年対比)

同FTAの懸案事項として、韓国はEUの鉄鋼セーフガード措置に対して遺憾を表明するとともに、中・大型自動車輸出に伴うEUの型式認証の一部緩和、医薬品の原料輸出に際して求められる書面提出の緩和、韓国産参鶏湯(サムゲタン)輸出に係る検疫手続きの迅速化を検討するよう、EU側に要請した。

EU側は、韓国のEU加盟国産牛肉の輸入禁止措置が差別的だと指摘するとともに、韓国がいまだ批准していない4つのILO基本条約(団結権に関する2条約と団体交渉権に関する2条約)を早期に批准し、韓国の労働法制度をILOの原則に適合させるよう求めた。

韓国とEUは、双方の財界と市民にとって、このFTAがさらに効果的なものにすべく、FTAの更新・改善を検討していくことに合意した。

(末永敏)

(韓国、EU)

ビジネス短信 9f417dc2af2036fe