アルメニア首相、「一帯一路」など中国との経済協力に期待表明

(アルメニア、中国)

欧州ロシアCIS課

2019年04月05日

アルメニアのニコル・パシニャン首相は4月4日、同国を訪問した中国の全国人民代表大会常務委員会副委員長の瀋躍躍氏と会談し、中国との経済協力の拡大に意欲を示した。

首相府によると、パシニャン首相は会談で、中国との友好はアルメニアの外交政策にとって重要な方向性の1つと発言。アルメニアが隣国アゼルバイジャンと抱える国境紛争のナゴルノ・カラバフ問題で、中国が取っている中立的なスタンスに謝意を表すとともに、平和的解決に向けた国際社会の支援の重要性を強調した。また、「1つの中国」の原則を支持することなども確認している。

首相は経済分野では、道路建設(注)、エネルギー、ハイテク、農業などで中国との協力を深めたいと発言。特に、観光分野では協力拡大の具体的な一歩として、両国間の直行便開設を検討することや、その他の分野での事業実現に向け、両国間の貿易経済委員会の開催が重要との認識で中国側と一致した。また、2019年10月6~9日にアルメニアの首都エレバンで開催される「世界IT会議」(WCIT2019外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に多数の中国企業が参加することを期待すると述べた。中国政府が唱える「一帯一路」」イニシアチブについては、「アルメニアは構想の実現に向けた過程に加わる準備ができている」と述べ、「その経済的重要性を鑑み、構想を歓迎する」としている。

(注)アルメニアの国家事業であり、同国を南北(イラン国境からジョージア国境まで)に縦断する幹線道路整備事業のうち、アルメニア北西部のランジク~ギュムリ区間の建設工事を中国企業(シノハイドロ、中国水電)が受注している。

(高橋淳)

(アルメニア、中国)

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