リヤドで第1回「Financial Sector Conference」が開催

(サウジアラビア)

リヤド発

2019年04月26日

4月24~25日の2日間の日程で、第1回となる「Financial Sector Conference」が、リヤドにあるアブドゥルアジーズ国王国際会議センターで開催された。本イベントは、サウジアラビアの財務省(MoF)、サウジアラビア通貨庁(SAMA)、資本市場庁(CMA)が主催し、今回初めて開催された金融・財政をテーマとする大規模な会議だ。

サウジアラビアにおける大規模の国際会議は、2018年10月に開催された「Future Investment Initiative(FII)」以来となるが、主要参加者の出席取りやめが相次いだFIIとは対照的に、外資企業を含む多くのCEO(最高経営責任者)が参加し、サウジアラビアに対する各企業の関心の高さをあらためて実感する会議となった。

2日間の日程を通じ、大ホールにおける14分野のパネルディスカッション、小会場における13分野の分科会が開催され、フィンテックから、資本市場、イスラム金融まで、金融・財政に関する幅広い分野についての講演が行われた。

初日のアル・ジャドアーン財務相のオープニングスピーチでは、2019年第1四半期の財政収支が2014年以来の黒字となったこと、同四半期における対内直接投資が28%増加したことが発表され、「ビジョン2030」の改革の成果が経済指標にも表れ始めていることを印象付けた。

続いて登壇したアル・ファーレフ・エネルギー産業鉱物資源相は、今後もサウジアラムコが債券・借入金による資金調達を継続していくこと、延期となっているIPO(新規株式公開)の準備を計画どおり進めていくことに言及した。

また、会議初日に合わせ、Tadawul(サウジアラビア証券市場)における初のフィンテック企業の上場が発表されるなど、会議全体を通じて「ビジョン2030」の実現に向けたサウジアラビアの改革が着実に実行されていることや、今後も継続していくことを示すイベントとなった。

(佐々木宏行)

(サウジアラビア)

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