ウクライナ中銀、非居住者の銀行口座開設を認可へ

(ウクライナ)

欧州ロシアCIS課

2019年04月09日

ウクライナ中央銀行理事会は4月1日、同理事会決定第56号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます「ウクライナ中央銀行の複数の法令変更について」を出し、ウクライナの居住者および非居住者の顧客口座、コルレス口座(注)、国際金融機関および資産管理団体の銀行口座の開設・閉鎖の手続きに関する規定を修正した。その結果、非居住者法人のウクライナでの口座開設が認められたほか、口座開設時の銀行顧客による署名サンプルの提出や(一定の場合の)口座閉鎖時の公証義務、法人名変更時の銀行口座閉鎖義務の廃止など、一部手続きが簡略化された。同決定は4月3日から施行されている。

非居住者の口座開設などの金融自由化は、マネーロンダリング(資金洗浄)など金融制度の不正利用につながる可能性があるため、ウクライナ中銀は4月2日に同理事会決定第58号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます「銀行による金融監査の実施に関する規則の変更について」を出し、金融機関に対しペーパーカンパニーなどの実態監査の強化を義務付けた。中銀は今回のルール改正について、「ウクライナの銀行分野は金融テロや資金洗浄防止に向けた効率的なシステムを整備するための十分な対策を取ってきており、金融分野のさらなる発展のため『リスクの大小に応じた監督の強弱』の原則・アプローチに移行する」と説明している。

これに加えて、中銀は3月28日に非居住者法人・ノンバンクに対する外貨規制の緩和を決定(理事会決定第52号)するなど、金融セクターの自由化に向けた一連のルール改正を進めている。

(注)銀行間の決済に利用される口座。

(高橋淳)

(ウクライナ)

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