香港とオーストラリア、FTAと投資協定を締結

(香港、オーストラリア)

香港発

2019年04月02日

香港特別行政区政府(以下、香港政府)とオーストラリア政府は3月26日、自由貿易協定(FTA)と投資協定を締結した。それぞれの批准作業を経て発効となる。

両協定は財貿易に加え、サービス貿易、投資、知的財産権、政府調達、競争政策などを含む幅広い項目をカバーする。香港政府商務・経済発展局の邱騰華(エドワード・ヤウ)局長とオーストラリア政府のサイモン・バーミンガム外務貿易相がシドニーで署名した。

財貿易については、オーストラリア側は発効と同時に全ての香港原産品の関税を撤廃し、通関手続きも簡素化される。サービス貿易では、FTAで認められた140のサービスに関して、香港のサービス提供者はオーストラリア市場で、オーストラリアのサービス提供者と同等の取り扱いを受けられる。また、投資額の上限が緩和され、香港からオーストラリアへの投資がこれまでよりも容易となる。

2017年のサービス貿易額は440億香港ドル(約6,160億円、1香港ドル=約14円)で、香港にとってオーストラリアは7位のサービス貿易相手国だった。2018年の財貿易額は540億香港ドルで、香港にとってオーストラリアは20位の財貿易相手国だった。また、2017年末時点の香港からオーストラリアへの直接投資額(ストック)は1,340億香港ドルで、8位の対外直接投資先だ。一方、オーストラリアの香港への投資金額は330億香港ドルで、香港にとって17位の対内直接投資元となっている。

香港政府とオーストラリア政府は、FTAと投資協定に関する交渉を2017年5月に開始し、18カ月にわたる交渉を経て2018年11月に妥結した。両協定の原文などは香港政府工業貿易署のウェブサイト(英語)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(吉田和仁)

(香港、オーストラリア)

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