米連邦通信委員会、中国移動の米国市場参入を却下へ
(米国、中国)
米州課
2019年04月19日
米国連邦通信委員会(FCC)のアジト・パイ委員長は4月17日、中国国有通信最大手の中国移動(チャイナモバイル)の米国市場参入申請に反対する声明を発表した。米国で国際電気通信サービスを提供するためには、連邦通信法第214条に基づきFCCの認可を受ける必要があり、チャイナモバイルは2011年9月に、米国外の通信設備を利用した米国と外国との国際電話サービス提供の申請を行っていた。これに対し、米国連邦政府機関は安全保障上の懸念があるとしてチャイナモバイルとも協議を行い、その結果、連邦政府機関を代表して商務省国家電気通信情報庁(NTIA)は2018年7月、安全保障上や法執行リスクの観点から、申請を却下するよう勧告していた。
パイ委員長は声明の中で、「国家通信ネットワークを守ることは安全保障上重要であり、チャイナモバイルによる米国内での電気通信サービス提供の申請は、相当かつ深刻な国家安全保障と法執行上のリスクをもたらすのは明らかだ。認可することは公益にはならない」と述べ、5月9日に開催される同委員会で他の委員も反対票を投じることを要望した。
次回委員会の議題案と提案内容は4月18日にFCCのウェブサイトで公開されており、委員5人が投票する。
(中溝丘)
(米国、中国)
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