「フューチャーフードテック」で代替肉の開発技術紹介

(米国)

サンフランシスコ発

2019年04月03日

テクノロジーと食品ビジネスを融合させた「フードテック」の年次カンファレンス「フューチャーフードテック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」が3月21、22日、サンフランシスコで開催された。食品大手企業、投資家、フードテック・スタートアップが集い、食品を軸に健康、環境問題、物流など幅広い視点でパネルディスカッションやプレゼンテーションが行われた。2日間で775人が参加し、30企業が出展した。

写真 パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

パネルディスカッションの様子(ジェトロ撮影)

アーリーステージのスタートアップ12社によるピッチも行われ、中でも植物や細胞由来の代替肉の開発をする企業3社に対するジャッジからの反応が良かった。植物由来の代替肉は、これまでも米国では菜食主義者向けに商品化されており珍しいものではないが、2016年ごろからより進化した代替肉に注目が集まるようになっている。そのきっかけの1つが、インポッシブル・フーズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Impossible Foods、本社:カリフォルニア州レッドウッドシティー、2011年設立)が見た目や味、食感までも本物の牛肉パテそっくりの植物由来の代替肉「インポッシブルバーガー」を商品化したことだ。植物由来、細胞由来のタンパク質開発はフードテックの中でも話題の中心だ。

年次カンファレンスでピッチを行ったスタートアップの1つ、カリフォルニア州バークレーのミッションバーンズ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Mission Barns、2018年設立)は、肉の中でも比較的育てやすい脂肪細胞に着目し、動物から採取した細胞から脂肪を育て、ベーコンなど脂身の多い代替肉をつくる。細胞から育てた脂肪を植物由来の代替肉と合わせる応用方法もあるという。

匂いを可視化する日系企業のセンサー技術

展示スペースで唯一の日系企業は、アロマビット外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます(Aroma Bit、本社:東京都中央区)で、匂いを可視化するセンサー技術を持つスタートアップだ。空気中の匂い分子がセンサー素子表面に吸着する際の周波数変化を感知し、匂いのパターンを認識する。同社の最新製品の1つ「アロマコーダー」は、匂いをパターン認識するデスクトップ型測定装置。匂いを測定したい物を装置に入れると、アロマコーダーと接続したパソコン画面上に35個の升目をベースにしたパターンを20秒ほどで表示する。匂いを可視化する技術は飲料・食品だけに限らず、香水や化粧品などにも応用できるという。同社は2014年設立、現在、シリコンバレーのパロアルトにもオフィスを構えている。

写真 アロマビットの後藤営業部長が紹介するアロマコーダー(ジェトロ撮影)

アロマビットの後藤営業部長が紹介するアロマコーダー(ジェトロ撮影)

(田中三保子)

(米国)

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