カザフスタン大統領選、6月に前倒し実施へ

(カザフスタン)

欧州ロシアCIS課

2019年04月10日

カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は4月9日に国民向けの談話を発表し、大統領選挙を6月9日に実施すると発表した。トカエフ大統領の任期は、辞任したナザルバエフ前大統領の残り任期の2020年4月までだが、前倒し実施について、ナザルバエフ氏や両院議長、首相、憲法評議会、政党党首らと相談・面談した上で決定したとしている。

トカエフ大統領は3月19日のナザルバエフ前大統領の辞任表明を受け、憲法上の規定により大統領に就任した(2019年3月20日記事参照)。任期終了の2020年4月の前に選挙が実施されると推測されていた。

カザフスタンの法令によると、臨時の大統領選挙はカザフスタン大統領の決定から2カ月以内に実施される。立候補には、生来のカザフスタン国籍を持つこと、40歳以上、国家語(カザフ語)を自由に使えること、カザフスタンに直近で15年居住、高等教育を受けていること、5年以上の政府機関もしくは公選による公職での職務経験が必要などと規定されている。無所属による大統領選挙への立候補は認められておらず、初代大統領であるナザルバエフ氏を除き大統領の任期は連続2期までと決まっている。

ナザルバエフ氏の長女で現在上院議長のダリガ・ナザルバエワ氏の立候補の可能性について、一部メディアは同氏側近のコメントとして立候補の意向はないと報じているが、「支援する候補者については党の決定」とする本人のコメントも報道されており、与党「ヌル・オタン」からの要請があった場合に本人がどう対応するかは明確になっていない。

なお、ナザルバエフ前大統領は3月25日以降、自身の官房組織を設立し、前大統領補佐官をトップに任命するなど、その機能強化を進めている。

(高橋淳)

(カザフスタン)

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